今年の夏山は散々であった。雨の中、標高2600mに位置する双六小屋までは行けたが、翌日も風雨が強く、奥に進めず目指していた鷲羽岳、水晶岳、黒部五郎岳の頂きを踏むことができなかった。風雨の中、双六小屋から引き返すことになった。24日、自宅を出発、その夜は新穂高温泉の駐車場で車中泊をする。25日、朝5時30分、駐車場を出発、傾斜の緩やかな林道をわさび平に向う。途中、笠ガ岳への笠新道登山口を左に見ながら進む。わさび平小屋で少し休憩を取った後、更に林道を進む。暫くすると林道から離れ、本格的な登山道に入る。秩父沢を右に左渡りながら高度を上げる。上部はガスが掛り全く見えない。10時50分鏡平小屋に到着、天気が良ければ、池に写る槍、穂高の山並が素晴らしいのだが、今日はガスが掛っていて全く見えない。何とも残念である。鏡平小屋の軒先で昼食と取った後、傾斜のきつい登山道を登る。途中、景色は全く見えないが高山植物が目を楽しませてくれた。ハクサンイチゲ、シナノキンバイ、コバイケソウ、イワカガミ、ヨツバシオガマ、ハクサンチドリ、ミヤマキンポウゲ等の花々が咲き乱れている。高山植物は7月末の今が一番綺麗な時期である。1時間程すると笠ガ岳とこれから行く双六小屋との分岐である。笠ガ岳への道を左に分け双六小屋に向け、更に高度を上げる。この辺り雲がなければ素晴らしい景色が楽しめるのだが、当たりは曇に覆われ全く見えない。稜線をもくもくと歩く。時々横殴りの雨が吹き寄せる。午後2時30分、双六小屋に到着、歩き始めて9時間であった。小屋の外は風雨が強く明日の天気が心配である。夜中、目を覚ますと風雨が小屋に当りガタガタ音がする。翌朝目が覚めると外は暗雲であった。今日、明日の天気予報も悪く、このまま、北アルプスの最奥地にある山々に登るにはかなりのリスクがあり、止む終えず引き返す決断をした。雨の装備をし、風雨の中、鏡平経由で下山した。何とも残念な山行になった。今年の夏は異常気象で西日本は豪雨が続き被害が出ている様であるが、悪天候には勝てないので、次のチャンスにリベンジすることになった。
下山途中、鏡平小屋
雪渓の中を下山する
ハクサンイチゲの群生地
クロユリの群生地
イワカガミ
ヨツバシオガマ
コバイケソウの群生地
ガスが立ち込める
ダイモンジソウ
ニッコウキスゲ
ガスが掛った上部
ハクサンイチゲとイワカガミ
秩父沢付近に咲くキヌガサソウ
わさび平小屋で休憩
水量の多い秩父沢を渡る
双六小屋わきの池
双六小屋
クロユリ
ハクサンイチゲとシナノキンバイのお花畑