涸沢カール・北穂高岳

5時44分、朝一のシャトルバスに乗り上高地に向かう。上高地で準備を整え横尾街道を明神、徳沢、横尾に向かい歩き始める。清流梓川左岸を気持ち良く歩く。対岸に聳える前穂高岳の山頂方面は雲が掛り見えない。横尾で軽く昼食を取り、横尾橋を渡り、横尾谷を本谷橋に向かう。前方左側に赤く染まった屏風岩の岩壁が迫る。紅葉は今が盛りのようだ。傾斜の緩い登山道を1時間程歩くと本谷橋に着く。ここは涸沢カールとのほぼ中間点になり、沢が広いので多くの登山者が休憩を取っている。この辺りから本日の紅葉のハイライトの登山道が続く。ナナカマドの赤、ダケガンバの黄色が鮮やかである。前穂高岳や北穂高岳の山並が見え隠れする。広々とした涸沢カールが見え、モレーンの上に立つ涸沢ヒュッテの屋根が見えるようになると、もう一登りである。昨年はこの辺りのナナカマドは見事であったが今年は最盛期を過ぎたようである。涸沢カールに着くと前方左から前穂高北尾根、前穂高岳、吊尾根、奥穂高岳、涸沢岳、涸沢槍ガ岳、北穂高岳の3千メートル峰が目の前に迫る、いつ見ても素晴らしい景観である。昨年はザイテングラードから奥穂高岳に登ったが、今年は明日、北穂高岳に登る予定である。テント泊なので涸沢ヒュッテに近い適当な場所を探す。テントを張った後、涸沢ヒュッテの展望台で生ビールを飲みながら穂高連峰の景色を堪能する。前穂高岳の岩肌には雪が付いている。秋とは言えテントの中は寒い、防寒具を十分用意して来たつもりではあるが寒くて良く眠れない。朝方は0度近くになったと思う。次回来るときは更に防寒具を増やす必要があるようだ。

登山日 10/8〜10/11 標高 3,106m 同行者

静寂な早朝の河童橋

<10/8>

<10/9>

10/8  往路:4時間 曇り 自宅(17:30)〜信越高速(更埴JC)〜松本IC〜沢渡駐車場(21:30) ※車中泊
10/9  登り:6時間40分 晴れ 沢渡駐車場(5:40)〜上高地(7:00)〜明神(7:50)〜徳沢(8:40〜8:50)〜横尾(9:50〜10:20)〜本谷橋(11:30〜11:45)〜涸沢(13:40) ※テント泊
10/10 登り:3時間10分        下り:2時間30分 曇り 涸沢(7:30)〜北穂高岳山頂(10:40〜11:30)〜涸沢(14:00)) ※テント泊
10/11 下り:7時間 快晴 涸沢(9:00)〜本谷橋(10:50〜:11:05)〜横尾(12:10〜13:00)徳沢(13:50〜14:05)〜明神(15:00〜15:10)〜上高地(16:00)

夕方自宅を出発する。信越高速の更埴JCより中央道に乗り換え松本方面に向かう。松本IC手前の梓川SAで夕食を取る。松本ICで降り158号線を上高地手前の沢渡に向う。いつもの様に沢渡岩見沢駐車場で車中泊をする。

<10/11>

涸沢ヒュッテの売店は充実している。生ビールは勿論、日本酒、焼酎等の酒類やおでん等のつまみも沢山販売されている。展望台からお酒を飲みながら穂高の絶景を堪能できる。山行に加えた楽しみである。

山頂直下の鋭い岩肌

中間点付近、10m程の梯子を登る

前穂高岳北尾根を振り返る

休憩ポイント本谷橋

横尾谷より屏風岩を仰ぐ

最初の休憩地、明神

梓川左岸を明神に向かう

<後記>

涸沢のテント泊は昨年同じ時期に経験しているが作年に比べ数段寒かった。これは紅葉が早かったことや降雪からも想像できる。次回は今回以上の寒さ対策をしようと思う。例えば「ホカロン」「湯たんぽ」等が良いかも知れない。

屏風岩を見ながら下る

ナナカマドと北穂高岳

パノラマコースより涸沢カールと穂高連峰を望む

昨夜、雪が降るのが心配であったが、その心配をよそに晴れ上がった。昨日と同様モルゲンロートが鮮やかである。今日も登山日和である。穂高の岩肌は昨日の雪で白くなっている。雪で登頂を断念している登山者もいるようだ。でも多くの登山者は登頂にチャレンジしている。特にトラブルがなければ良いが…。我々は景観の良いパノラマコースを下山しようと思い歩き始めたが途中氷結している岩場があり、残念ながら途中より引き返した。危険をおかす必要はない。安全第一である。紅葉を楽しみながら、本谷橋、横尾、徳沢、明神経由で下山した。登りの時より余裕があり紅葉を楽しめた。憧れの北穂高岳に登れ大変満足している。

雪で滑る岩場を慎重に下る

奥穂高岳、涸沢岳方面との分岐

憧れの北穂高岳小屋

小雪舞う北穂高岳山頂(3,106m)

テント場より奥穂高岳を仰ぐ(オレンジ色が我々のテント)

左奥穂高岳、右涸沢岳、涸沢槍ガ岳を仰ぐ

<10/10>

昨夜は寒くて良く眠れなかった。6時頃から朝食の用意を始める。むすびを食べ、暖かいスープを飲むと元気が出てきた。テントの外に出ると涸沢カールを囲む穂高の岩肌がモルゲンロートに輝く。何とも言えない景観である。妻は初めての経験であり、景色を堪能している。身支度を整え北穂高岳の取りつきのある涸沢小屋に向う。小屋の右側が取りつきである。上部を仰ぐと北穂高岳の岩壁に直登の登山道が山頂方面に続いているのが見える。かなりの急傾斜に見える。一歩一歩足を進める。登山道は浮石が多く落石が心配である。中間点あたりになると長さ10m程の梯子がある。ここを左の尾根に登り上げる。ここから更に急傾斜の道が続く。山頂に近づくにつれ天気が悪くなり小雪がちらついてくる。山頂手前に涸沢岳、奥穂高岳と北穂岳との分岐がある。ここを右に進むと北穂高岳山頂である。昨年は奥穂高岳山頂からの眺望は見事であったが今年は残念ながら辺りはガスの中である。北アルプス最高の眺望と言われている北穂高岳からの眺望が望めない。何とも残念である。山頂の直ぐ右肩に位置する北穂高岳小屋に向かった。憧れの北穂高小屋に着いた。ここで美味しいコーヒーを飲んだ。残念ながらテラスからの眺望はゼロであった。下山時の雪が心配なので手短に昼食を取った後、山頂経由で下山の途についた。小雪の中、足元が滑り易くなっているので、十分注意をしながら下りた。案の定、途中落石があったが特に問題はなく安堵した。

横尾大橋を渡り本谷橋へ向かう

紅葉の木々が目立つ徳沢園

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見事な山容の北穂高岳

   テントに積もる雪

明日登る北穂高岳が中央に聳える。涸沢カールのナナカマドの紅葉はピークを過ぎていた。

今回特に感じたことであるが若い登山者が増えていることである。確かに北アルプスは他の山に比較して若い登山者多いが最近増加しているように思う。雑誌等では論じられているが、今回の山行でそのことを実感した。

前穂高岳の岩峰と吊尾根

雪が積もった奥穂高岳の岩肌

涸沢カールより涸沢岳、涸沢槍ガ岳を望む

紅葉のナナカマドの後に奥穂高岳と涸沢岳が望める。もう少しで涸沢カールへ着く